2013年9月15日日曜日

新型ロケット、イプシロン打ち上げ成功:ミサイル開発だ、中国・韓国メディア

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 公開日: 2013/09/14
●宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月14日午後2時、新型の固体燃料ロケット「イ­プシロン」を鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた。約1時間後、搭載­していた惑星観測衛星「スプリントA」を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功した。


jiji.com (2013/09/14-20:27)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013091400293

衛星打ち上げ事業に期待
=官民一体で受注獲得へ-イプシロン成功で・国内メーカー

 新型固体燃料ロケット「イプシロン」の発射が成功した。製造を担ったIHIエアロスペース(東京)を中心とする国内メーカーは、イプシロンを使った衛星打ち上げ事業の拡大に大きな期待を寄せる。
 今後、価格の安さや受注から打ち上げまでの期間の短さを訴え、官民一体となって新興国など海外からの受注獲得を目指す。(2



毎日新聞 2013年09月15日 02時31分
http://mainichi.jp/opinion/news/20130915k0000m070103000c.html

社説:イプシロン成功 宇宙近づける「革新」だ

 惑星観測衛星を載せた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新型固体燃料ロケット「イプシロン」1号機の打ち上げが成功した。 
 低コスト化を図り、準備期間も短縮した世界初の人工知能搭載ロケットだ。
 2度の打ち上げ延期という生みの苦しみもあったが、これからも成功を積み重ね、安くて手軽な宇宙利用への道を開拓する日本の小型基幹ロケットとして活躍することを期待したい。

 イプシロンは全長約24メートル、重さ91トンの3段式。
 7年前に運用を終えたM5ロケットの後継機だが、従来にない革新的な機能を備えている。

●.その一つが自律点検だ。
 打ち上げ前の点検はこれまで、機器ごとに別々の点検装置を使い、100人規模の作業員が携わった。
 イプシロンでは、機体に内蔵された人工知能が自ら情報を集め、機器が正常かどうかを判断する。
 1カ月半かかった打ち上げ準備は約1週間に短縮された。

●.もう一つがモバイル管制だ。
 打ち上げ時は数人のスタッフが2台のパソコンでデータを監視すればよく、管制室も不要になる。
 世界初のこうしたシステムの確立は、宇宙をより身近な存在に近づけることだろう。

 一方、H2Aロケットの補助ロケットを1段目に転用し、2・3段目にはM5のエンジンを改良して使うなど既存技術も活用。
 打ち上げ費用をM5の半分の約38億円に抑えた。

 固体燃料ロケットは、H2Aのような液体燃料ロケットに比べ構造が簡単で扱いやすい。
 日本は、故糸川英夫博士によるペンシルロケット以来、独自に技術を蓄積してきた。

★.大型衛星は主力ロケットのH2AやH2Bで、
 小型衛星はイプシロンで打ち上げる効率的な分業体制を早く築いてほしい。
 複数の打ち上げ手段を自前で持つ意義は大きい。

 イプシロンは、海外からの打ち上げ受注を目指している。
 地球観測用などとして小型衛星は一定の需要が見込まれるが、世界には競争相手がひしめく。
 受注には、信頼性の向上と一層のコスト削減が欠かせない。
 衛星の開発や運用も請け負うなど、宇宙利用をパッケージ化して売り込む体制の強化も必要になる。

 先月27日の打ち上げ中止はコンピューターの設定ミスが原因で、ごく初歩的な見落としがあった。
 新たな挑戦にトラブルは付きものだ。
 今後も問題が生じるかもしれないが、打ち上げを重ねる中で、乗り越えていかなければならない。

★.政府は来年度から、H2Aの後継となる大型ロケットの開発に着手する。
 打ち上げ費用を現在の半分の50億円程度に引き下げる計画だ。

★.イプシロンで導入した技術やシステムも取り入れて、日本の宇宙開発のステップアップにつなげてほしい。



サーチナニュース 2013/09/16(月) 09:24
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0916&f=national_0916_006.shtml

日本の「イプシロン」打ち上げ、ミサイル開発だ=中国メディア

  打ち上げが延期されていた日本の小型ロケット「イプシロン」が14日午後、打ち上げに成功した。
 中国メディア・華商網は15日、「大陸間弾道ミサイル技術につながる」とする専門家の意見を伝えた。

  記事は、今回打ち上げられた「イプシロン」のスペックを紹介するとともに
 「さまざまなタイプの軍事衛星を発射するのに用いることができる」
と紹介。
 さらに、ロケット自体の体積が大きいため直接大陸間弾道ミサイルを飛ばすための使用はできないものの、その推進能力は射程9600キロメートルの米国のMXミサイルに近いとした。

  そして、軍事専門家・尹卓氏が 
 「日本が12年間かけて国産ロケットを開発したのは、小型・中型衛星や民間用ロケットを発射させるだけでなく、小型ロケットを中距離弾道ミサイルに改造することが容易だからだ」
と論じたことを伝えた。

  また、中華日本学会の常務理事で、復旦大学歴史学部の馮〓氏が
 「敗戦国の日本は平和憲法により弾道ミサイルなど長距離攻撃の武器の所有が制限されている。
 ロケット発射は宇宙開発、気象探査などのためと言われているが、この技術を軍事用に転用するのは非常に容易なこと」
と解説したことも紹介した。



レコードチャイナ  2013/09/15(日) 14:02
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0915&f=national_0915_030.shtml

【中国BBS】イプシロン打ち上げ成功…わが国にとって脅威だ

  新型ロケット「イプシロン」初号機が14日午後2時、鹿児島県のJAXA内之浦宇宙空間観測所で打ち上げられた。約1時間後、惑星観測衛星「スプリントA」を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功した。

  イプシロンの打ち上げ成功に“脅威”を感じたというスレ主が
●.「今日から日本は大陸間弾道ミサイルの技術をすべて握ったことになる」
というスレッドを立てたところ、さまざまな意見が寄せられた。

  スレ主は、イプシロンの技術的な特性を紹介したうえで、
●.「日本は固体燃料ロケットエンジン技術では世界トップレベルになり、わが国を超えた」
と主張。さらに、イプシロンは大陸間弾道ミサイルへの転用が可能であるとして、警戒感を示した。

  ほかのネットユーザーからは
●.「技術的には難しくないだろうが、ミサイルの実用化からすれば日本はまだまだ初期段階だ。
 乗り越えるべき問題はまだたくさんある」
という意見が寄せられ、それほど脅威に感じる必要はないとのコメントがあった。

  同様に
●.「スレ主は結論を焦りすぎ」、
●.「まだミサイル発射試験もしていないのに技術を掌握とかよく言えるな」
など、ロケット技術をミサイル技術と一緒には論じられないとの意見もあった。

  しかし、
「日本はとっくの昔にこれら技術は掌握しているさ。
 ロケット発射はミサイルよりずっと複雑で難しいのだから」
という意見もあり、スレ主に同調する人もちらほら。

  実際のところ、
●.「このロケットは商業用のためのもので、もっとはっきり言えば金儲けのためのロケットだ。
 軍用するとかあまり考えていないよ。
 仮に日本がミサイル技術を掌握したとしても、短期間では発展できない」
というコメントにあるように、イプシロンは低コストが魅力であり、商用としての利用が見込まれている。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/09/16 09:04
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/16/2013091600579.html

打ち上げ成功「イプシロン」はICBM転用可能

 日本が14日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)への転用も可能な新型固体燃料ロケット「イプシロン」の打ち上げを成功させた。

 共同通信などによると、イプシロン初号機は同日午後2時、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所で打ち上げられた。
 イプシロンを開発した宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、搭載していた惑星分光観測衛星「スプリントA」を午後3時ごろに予定の軌道に投入したと発表した。
 イプシロンは先月27日、打ち上げの直前にコンピューターが姿勢異常を誤検知したため、打ち上げが延期されていた。

 日本が独自に開発したイプシロンは、全長24メートル、重量91トンで、過去に使用されていた「M(ミュー)5」(全長30メートル、重量130トン)の後継機となる。
 小型化を図り、コンピューター・自動化システムを多数導入したのが特徴だ。
 打ち上げ費用はM5の約半分の38億円。
 また、M5は管制作業に100人ほどが必要だったが、イプシロンは管制員5人でも打ち上げが可能だ。
 組み立てから打ち上げまでの期間もM5の42日間から7日間に短縮した。

 ロケットとミサイルは技術的にさほど差はない。
 一般的に、宇宙飛行体に人工衛星を搭載すれば「ロケット」、弾頭を搭載すれば「ミサイル」と呼ぶ。
 韓国の「羅老号」のように、液体燃料を使用するロケットは燃料の注入に長時間を要するのに対し、固体燃料ロケットは打ち上げの準備が容易で、燃料を長期間保管することもできるため、軍事用のミサイルに転用する上ではるかに有利だ。
 日本は2006年9月にM5の最後の打ち上げを行って以来、約7年ぶりに固体燃料ロケットを再び打ち上げたことになる。

 日本の国会は昨年、宇宙開発について定めたJAXA法の条文から「平和目的に限る」とする規定を削除した改正案を成立させた。



【「底知らず不況」へ向かう韓国】


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